店長stotry 20 《計画書》

更新日:2020.02.22

〇前回までの店長story 19はこちら

年が明けて、早々
メイン取引先金融機関の
ナンバー2がやってきました。

鋭い眼光と脂ギッシュな顔
早い口調、肩幅の大きい背広・・・

なんだか、、、圧に負けそう・・・(-“-)

狭い事務所に入ってきて
私の隣に座りました。

通称ギラ男:初回登場のブログ

「今後、おたくがどう商売していくのか、
経営計画書を提出してください。」

経営計画書・・・
うちの会社で今までちゃんと
作ったことあるのかな。

ギラ男からは先に
電話をもらっていて

「今後の流れを説明
できるようにしておけ」と

言われていました。
その為、会計事務所に行って、
エクセルに数字を打ち込みながら作る
雛形の計画書をもらってきていました。

また、メイン金融機関の支店が
近くにあるので、そこの支店長にも
相談に行きました。

すごく親身になって、
経営学を知らない私に
いろいろな資料を元に
教えてくれたり、自分が読んで
ためになったという経営の本をくれたり。

その時の私がどう理解して、
学んだことを生かせていたのかは
わかりません。

会社役員たちは逃げ、
残った者は現実と向き合おうとしない。

そんな中で無知で経験も
何もない私に教えることで、
必死に会社を救おうとしてくれていること。

長年付き合っってきた取引先であり、
南茅部に古くからあるこの会社を
助けたいという想いです。

ただ、それだけはすごく伝わり
わかっていました。

「もう、これ以上融資をしてはいけない」

金融機関上層部から見切られた
水産加工会社に対して
支店長が出来ることを
してくれたと思います。

今の能戸フーズを作った時から
絶対潰れない、潰さない会社にしようと
必死になっていた三年間は
彼のそういった想いに応えたい
というのが一つあったと思います。

今となっては、
お客様に昆布を通じて
幸せになってもらいたいと
シンプルな気持ちで
仕事をしています。

最初からそんな想いで
起業するものだと思いますが、
私は「不」に向かった
ところからのスタートでしたので

ゼロよりマイナス地点から
起業した時の想いは
恥ずかしながら
「どす黒かった」です。

その時ははっきり具体的に
思っていたわけでもありませんが、
支店長の想いやエネルギーによって
自分の行動エネルギーが上がり
自分を強くしてくれていたと思います。

・・・確か30代前半の

若い支店長でした。
その彼は翌年退職して
札幌で新たな就職先で働いています。

そして、経験も何もない私が
なんとか考えを絞り出して
作った経営計画書。

何度か作っては会計事務所に
持っていき、確認をしてもらいました。
それをギラ男に見せ、説明をしました。

・・・
・・・ドキドキ
・・・ドキドキ・・・

「甘い!
 こんなんでどうやって
 貸した金額を返していけんの?
 全然少ないだろ!!」

・・・
・・・
うぅっ。( ;∀;)
隣で大きな声で話されると、、、

気を失いそう・・・( ;∀;)

ギラ男に説教されながら
細かい指導を受けました。

現実と理想を交えながら
落としどころをどこで見つけるか。

長く話しているうちに、
(あれ?意外と親身になってくれている?)
と感じました。
しかし、そう思ったのも一瞬で

「次回きっちり作成したものを
提出するように」

目がマジでした。

やっぱり、怖い。。。

ようやく、なんとか
ギラ男の拘束から解除され、
外でお見送りの挨拶をしました。

ギラ男を乗せた黒塗りの高級車が
音もなく、雪の積もった駒ケ岳方面に
向かって走っていきました。

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次回の「店長story 21」
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店長STORY一覧は こちら

辛いことも多かったですが、
自分の人生の舵取りをする為に
必要な経験をたくさんしたと思います。

この店長STORYは
昔の暗い話ばかりが続きますが

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たまえ店長

能戸たまえ(店長)です。 昆布の魅力にハマり、美味しくて体に良い昆布を広める活動に人生を捧げる。 趣味:旅行、水泳、ピアノ、散歩  四姉妹の母

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