店長story 28 《起動》

更新日:2020.12.01

〇前回までの店長story 27はこちら

もう稼働していない
水産加工工場のある
裏山に続く階段を一人で登ると
全ての窓がベニヤ板で
封鎖されていました。

大きな建物だけが取り残された
敷地はとても広く静かでした。

全て・・・
終わってしまったんだ。

振り向いて見下ろす海は、
今まで通りの海でした。

人間が好き勝手に
どんな生き方をしようと
何も変わらず冷然たる波の音を
立てていました。

誰かに助けてほしいとか
逃げ出したいとかは
ありませんでした。

これからどうやって
いけばいいんだろう。

何をどう変えて
いけばいいんだろう。

感情がないまま黙って
海を見ていると

行動を止めてしまうような
そんなくだらない悩みや不安が
消えていきました。

今ある現状の中で
止まることなく
動き続けるしかないな。。。

裏山から戻った私は
浜辺にある会社事務所へ行き
残った机や椅子、使えそうな事務用品を
集め自宅へ移動させました。

自宅の一室を整理し、
机にパソコンを乗せ、、、

これで事務所が完成しました。

次に家族会議を開き以下内容を
父母と主人に宣言しました。

1 土地や会社建物は持たず固定費をかけない

2 昆布在庫、販売権は私個人が買い取る

3 自社加工せず全て外注
簡単な昆布商品は袋詰めだけをやる

4 事務所は自宅1階1部屋
商品は2階1部屋
発送場は母屋大広間を使用

5 父母、主人は前会社の保証人と
なっている為、私一人でスタートする

何が何でも絶対やるという
剛直な姿勢の私に

三人は「ママがいいなら・・・」と
承諾してくれました。

幸い家はとても広く、
勝手に有効利用?を
させてもらうことにしました。

最後に、前会社がなくなっても
中断することなく
商品の販売をするには
押さえておかなければならない
人物がいました。

私は早速その人物に電話をして
会いに行くことにしました。

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次回の「店長story 29」
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店長STORY一覧は こちら

辛いことも多かったですが、
自分の人生の舵取りをする為に
必要な経験をたくさんしたと思います。

この店長STORYは
昔の暗い話ばかりが続きますが

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たまえ店長

能戸たまえ(店長)です。 昆布の魅力にハマり、美味しくて体に良い昆布を広める活動に人生を捧げる。 趣味:旅行、水泳、ピアノ、散歩  四姉妹の母

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