店長story 33 《ピンクバイザー》
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2013年
一人悩みながら仕事をしている中、地域振興財団という所がある事を知り、
相談する人がいなかった私は電話をかけ相談しました。
最後に、「近々、商品ブランディングのアドバイザーが函館に来るので相談してみよう!!」
という提案を頂きました。
数日後、昆布商品を数種類持って財団へ向かいました。
財団の方5名とアドバイザーと私、会議室でテーブルを挟んで相談会が始まりました。
アドバイザーは商品を見るなり、
「全然、なってない!」
「この商品、なにがいいの!?」
「特徴がないし、見た目も悪い!」
ど、ど、どスレート!!涙
ボロクソにいう感じ…すごいです。
一緒に話を聞いていた財団の方々もたじろいでいました。
苦笑いしながらアドバイザーのストレートな物言いを噛み砕いて優しくフォローしてくれました。
北海道なら昆布はどこにでもある商品。
同じなら安い商品が選ばれます。
「もっと、他とは違う
商品を考えなよ!」
そ、そうですね。。涙
コンブがいいから売れるっしょ!
と楽観的に考え、商売について一知半解な自分を恥ずかしく思いました。
機知に富むアドバイザーの言葉は厳しくも今の自分を知るための救いの言葉でした。
「色を決めなさい、商品の色を!」
色ですかぁ…まったくイメージが湧かないです。
商品は、昆布村は、私は、、何色だろう。
今ある商品を自分が売りたいと思う商品に。
周りの人が食べたいと思ってもらえる商品に。
そんな当たり前のことも抜け落ちていました。
その頃の私には昆布を売る情熱がありませんでした。
目の前の海では北海道で唯一、献上昆布に選ばれた真昆布があります。
健康に良いと注目されているがごめ昆布があります。
よくよく考えると希少性の高い昆布が目の前にあるという恵まれた状況です。
後は自分が成長して商品を育て、求められる商品に変えていければ先へと続いていけるかも。
何もまだ見えていない自分でしたが、沸々と腹の底で湧いてくるものを感じました。
「ちなみに、
私はピンクよ!!」
ピンクバイザー♡…?
どう見てもピンクっぽくはない(笑)
と思いながら、少しだけ好感が持てました。
私をじっと見つめながら言い切る彼女をかっこいいと思いました。
私は、彼女を見つめながら自分の内側を探りました。
・・・真っ黒で空っぽでした。
その頃の私は昆布を食べて幸せになってほしいという気持ちよりも、
前会社での出来事に対してのネガティブな気持ちで埋め尽くされていました。
そんな人間が食品を売ってはいけないですね。
自分はまだ何もスタートしていない。
まだ何も作り上げていない。
それならまず自分を変え
一つづつ作っていけばいいか。
最後にはそんな
清々しい気持ちになっていました。
ありがとうピンクバイザー♡
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