店長story 14 《縮小》

更新日:2019.07.14

〇前回までの店長story 13はこちら

2012年 冬

とても寒い日の午前、
弁護士一行が道南の森駅に
降り立ちました。

臼山弁護士、歩く憲法弁護士
プラス公認会計士。
以前のブログで登場しています。)

今日は取引先の
メイン銀行へ行き、臼山弁護士が
会社の融資や返済について、
他再生案などの交渉をします。

入り口に入ると、まずは皆さん
コートを脱ぎ左手に抱えました。

中に入る前にコートを
脱ぐのが礼儀のようです。

へぇ、そうするもんなんだなぁ
と一人関心(^^)

南かやべでそんな光景は
見たことがありません(笑)

歩く憲法がテーブル一番手前に座り
その左隣に私が座りました。

当たり前ですが、スーツを着ています。

南かやべでスーツを着ている人が
いないので、目新しくて
つい、ジロジロ(ーー;)

胸元には存在感のある弁護士バッチが
しっかりと付いています。
(勉強ばっかりしてたんだろうなぁ。)

私に見られていることには
お構いなしに、
高級そうな革に包まれた
ノートとノートパソコンを
鞄から取り出しました。

エリート弁護士
歩く憲法 の動きが
気になります(笑)

次に四つ角がキレイに揃った
ハンカチを取り出し、
外気温との差で曇りがちな
眼鏡を丁寧に拭き始めました。

(歩く憲法、育ちがいいんだろうなぁ。)

・・・でも、絶対
付き合わないタイプっ♡

臼山弁護士が真ん中に座りました。

(相変わらず、上の方が薄いなぁ。)

何が話されるのか、緊張感ある
面談の前につい余計な事ばかり
気にしてしまいます。

この場から逃げたい
気持ちの表れでしょうか(-“-)

しばらく待っていると、
メイン銀行のNo.2ギラ男が
登場しました。
(この方も以前登場しています。)

今日は後ろに2名ほど子分を連れています。

しばらく大人の会話が続いております。
歩く憲法が議事録を無表情のまま早打ちで
パソコンに入力しています。
(エリート感、半端な~い)

お互い探り合いの会話をしながら、
相手の出方を見ています。

私は聞いているだけでした。

これと言って決定的な
話し合いが出来たかと言うと、
そんな感じではなく、
形式的な内容で終わっていました。

お昼は皆でおそばを食べてから、
会社事務所へ向かいました。

その間、父が湯婆婆さまを
函館に迎えに行って事務所で
打ち合わせが始まりました。
湯婆婆さまがソファの
一番良い席に着席されました。

弁護士は法律的な話しや
切り離す工場や土地の譲渡について、
縮小に向けての段取りを話していました。

ただ、山にある工場や冷凍庫
土地を数億で売ったとしても
経営をしていけるわけでもありません。
融資で借りているお金を
返すだけとなり、返済金は
少し減るだけで状況は
ほとんど変わりません。

売るものがない、
お金もない、知恵もない。
知恵を絞ろうともしない。

会社役員は荒波の舞台に
立とうとしない、ただの傍観者。

父も半分わかって、
半分わかっていないような。

数字を根拠に今後の会社の動きを
話されたわけではなく、
実のない話し合い
だったような気がします。

経営についての先見之明がある
人物がこの中にいない限り、
この問題の出口は
一つしかない気がします。

「わしのいう事を
 聞いてれば、こっだらことに
 ならながったのに💢」

終止、湯婆婆さまの
怒りとぼやきが嘆き悲しむ
でかいお顔から、零れ落ちます。

「何が何でも会社をなくしてはならない!」

「若い夫婦で頑張れば何とかなる!」

とか、熱いお気持ちはわかりますが。。。
なんか、空理空論で2時間が過ぎた気がします。

でも、もう山側の工場、
冷凍・冷蔵庫、研修員宿泊施設
事務所、食堂全ての閉鎖は
確定しました。

浜辺に残る小さな工場と
冷凍庫、事務所に移り
事業縮小へと進みます。

次の山場は、長年働いてくれている
従業員達へなんて報告するか。

気が重いです。

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次回の「店長story 15」
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店長STORY一覧は こちら

辛いことも多かったですが、
自分の人生の舵取りをする為に
必要な経験をたくさんしたと思います。

この店長STORYは
昔の暗い話ばかりが続きますが

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たまえ店長

能戸たまえ(店長)です。 昆布の魅力にハマり、美味しくて体に良い昆布を広める活動に人生を捧げる。 趣味:旅行、水泳、ピアノ、散歩  四姉妹の母

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