店長story 8《圧力》

更新日:2019.02.24

〇前回までの店長story 7はこちら

2012年 秋

融資を受けられる
可能性はなく、

また受けたとしても
事業を回していくだけの
漁も見込めない、
製造もできない。

よって、
山の工場・冷蔵冷凍庫
事務所はすべて閉鎖する
ことを決意しました。

中国から来ていた
派遣社員10数名はその年の
秋を目途に解雇することにしました。

次に冷凍庫内に入っている
数トンものイクラやたらこなどの
商品を取引先に販売しました。

状況を理解して頂いた
札幌の大きな取引先社員の3名の方が
わざわざ挨拶に来てくれました。

普通ではありえない量を
まとめて買ってくれました。

そして、ある日は
現金300万を持って

北電へ電気代を支払いに
行ったりもしました。

状況が刻々と変わっていく中で
また主人と札幌の弁護士の所へ
報告&相談に行きました。

提出した資料を元に
臼山弁護士(仮名)と
公認会計士が話し合い

デューデリジェンス(Due Diligence)
を作成することになりました。

・・・?

なに、そのシャレた名前のやつ!?

デューデリジェンスとは
組織や財務活動、リスク等の
調査書類だそうです。

その頃の私たちは
悪い受け身体質でした。

自分たちで作ってしまった
状況を他人に助けてくれ!と
言っている状態です。

なので、それが必要なのか
どうかも判断できずに
ただ言われるがままに
受け答えをしていました。

なんとも無責任極まりない。

札幌からの帰り道、
義母から電話が入りました。

「湯婆婆さまが怒っている、、、」

と。

なんで?

「自分たちだけで
札幌の弁護士の所へ
行ったのが悪かったらしい。
謝りに行きなさい」

なんで!!??

おかしくないですか?

何故わざわざ謝りに
行かないといけないのでしょうか?

しかも、何を謝るの?

訳が分からない。

いちいちご機嫌取って、
お伺い立てて、
了承をもらわないと
いけないってこと?


・・
・・・
やってらんねぇ💢

でも母や主人は、
湯婆婆さまはえらい(?)から、
言うとおりにしないと良くない。
湯婆婆さまに縁を切られたら大変。
と言います。

・・・あんたたち、
洗脳されてんでないの? ( ̄▽ ̄)

この状況で、まだ神頼みかよ。

神様が何をしてくれるんだよ。

しかし、嫁として
従うしかありませんでした。

結局、家に戻る前に
湯婆婆さまに謝りに行きました。

「勝手な行動を
とってすみません。
湯婆婆さまにこれからも
相談していきたいです。」

怒られ、泣きながら謝りました。

「んだべ~。
 わしが何とかしてやるから。
 次行く時は
 わしも連れでげ!!!!!」

圧っ! 圧っ!

でっかい顔と圧力に、
負けました(涙)

なんだろう・・・
この不愉快な気持ち(-“-)

そして、数日後。

湯婆婆さまと主人と
三人でまた、札幌へ。

今回は雪が降ると危ないので、
JRで行きました。

——–

そんなこんなありながらの
私の楽しみは、JR北海道の
車内紙に掲載されている

小説家小檜山博氏の
連載エッセイを読むことでした。

のちにエッセイをまとめた本
「人生謳歌」も購入しました。

北海道滝上町の
厳しい自然の中で、
逞しく生きる少年時代の話が
軽快に書かれていて
読んでいると、
励まされる思いがしていました。

——–

弁護士事務所に着いてから、
何ページも細かい数字等が書かれた
デューデリジェンスを渡されました。

けど、

けどっ、

裁量のない私たちは
それを見てもなんも
わかりませ~ん (^^;)テヘ

主人と私、心の中。。。

「これがあるからと言って、
なんも変わんないんじゃない?」

「んだね。」

・・・おバカな二人 (*´▽`*)テヘ

とりあえず父に
持ち帰ることにしました。

————————
次回の「店長story 9」
————————

店長STORY一覧は こちら

辛いことも多かったですが、
自分の人生の舵取りをする為に
必要な経験をたくさんしたと思います。

この店長STORYは
昔の暗い話ばかりが続きますが

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たまえ店長

能戸たまえ(店長)です。 昆布の魅力にハマり、美味しくて体に良い昆布を広める活動に人生を捧げる。 趣味:旅行、水泳、ピアノ、散歩  四姉妹の母

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