店長STORY49《勤続10年》
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経理の仕事で入社した女性が2024年9月で勤続10年になりました。
2014年、創業まもなくの机が2つあるだけの小さな会社に入社してもらってから、あっという間に10年が経ちました。会社がここまで続けてこれたのも、彼女の明るさと誠実さのおかげです。
最初の頃は事務所2階の空いている部屋に青ビニールシートを敷き、昆布を保管しました。一束10㎏もあるので運ぶのに一苦労です。調味料の段ボールは大広間に重ねて置きました。田舎の家なのでとても広く置き場に苦労はしませんでした。
書類整理から経理事務はもちろん、受注から発送まで何でもやってくれました。私が仕事のことで悩む際はいつも率直な意見と適切なアドバイスをしてくれました。彼女の大きな笑い声のおかげで私は何度も救われてきました。何とかなるのかなと思えるのです。
彼女は「私はネガティブでマイナス思考なんです」と言いながら、私の仕事に関しては「大丈夫ですよ!強気で行きましょう!」と励ましてくれるのです。
私の子どもが9歳7歳5歳2歳、彼女の子どもが6歳5歳1歳でした。想像するだけで恐ろしい毎日です。
「一日の労働時間は短くてもいい」、「子どもの急な発熱時にはすぐ退社してもOK」、「退社時刻はフレキシブルに」としました。
小さい3人の子どもを育てながらここまで本当に良く働いてくれました。貴重な10年を一緒に会社を作る事に費やしてくれました。
がごめ昆布の根の部分「がにあし」を何とか商品化できないかと迷走していた時や海藻ダルスを夜遅い時間に全部裏返す作業の時などは旦那さんも手伝ってくれました。余談ですが旦那さんはイケメンですごく優しい人です。
最初数年間はよく旦那さんから彼女の携帯に電話がかかってきました。子どもの送迎の事やお昼ご飯の相談です。彼女を陰ながらサポートしてくれているのが伝わります。
彼女の家族を巻き込んでしまっているという申し訳ない気持ちにもなりました。
家事や子育てに加えて外での仕事では自分の時間はなくストレスも溜まります。その頃は義祖母も一緒に暮らしていたので気苦労も多かったことでしょう。
仕事をしている間は家庭内での雑音(言い方が悪いですが)がなくなり仕事に集中できます。ある程度自分で計画しながら進めることができ途中で邪魔が入ることがありません。これだけでもストレス発散になり穏やかな気持ちでいられます。
仕事に来るのが楽しいと話してくれます。自分は必要とされている人材で世の中で価値があるんだと思えると自信に繋がります。働くことで彼女の気持ちや生活が潤うようにできればと考えながら私も仕事を続けました。
しかし外で働くことで責任が増え、真面目に働くほど自分を追い詰めていきます。
そして入社してもらって数年が経ち、会社がとても忙しくなっていた頃に彼女はとうとう爆発してしまいました。
次回「店長story 50」につづく
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